Claudeマスター講座 第1回(全体講座)のアーカイブです。動画を見ながら読んでもいいし、テキストだけで振り返ってもOK。下に講義の全文をまとめてあります。
今日のゴール:相談相手から「仕事道具」へ
Claudeマスター講座、第1回にご参加ありがとうございます。今日のテーマは「Claudeの全体像をつかむ」です。
すでにコミュニティでいろいろ作ってくれている方もいますが、「何から始めていいか分からない」「そもそもClaudeで何ができるのかイメージできていない」という方もいると思うので、今日は基本的なところを見せつつ、ぼく自身がどう使っているかをデモで出していきます。
今日のゴールはシンプルです。Claudeを「相談相手」から「仕事道具」にすること。1ヶ月後に、Claudeで業務改善や企業提案ができる状態を目指します。
そのために、まず今日は3つのモードを理解して、「自分の仕事のどこに使うか」を3つ言える状態になりましょう。「チャットではこれ、Coworkではこれ、Codeではこれをやる」と言える感覚です。
4週間の地図
この講座は週1で4週間です。
- Week1(今日):何ができるかを把握する
- Week2:Coworkで小さいタスクをこなす
- Week3:Claude Codeでツールを作る
- Week4:作ったツールやLPを実際に提案する(任意・でもぜひやってほしい)
そして今日のお願いは1つ。見たら何か1つやってみることです。Xで「こんな自動化ができるんだ、保存」で満足しがちですが、実際に1個やって「できた」「うまくいかなかった」「中途半端で終わった」という経験をすることが、AI活用では一番大事です。
質問はDiscordにメンションで書いてください。気軽に「なるほど」「ん?どういうこと?」でもOK。反応があるとぼくも話しやすいので。
Claudeの3つのモード
Claudeデスクトップアプリの中には、チャット・Cowork・Code の3つのモードがあります。アプリ上部でポチポチ切り替えるだけ。黒い画面(ターミナル)を触らなくていいので、万人にはデスクトップアプリがおすすめです。
例えるなら、こうです。
- チャット = 相談相手:「これどう思う?」と聞いて、答えや文章が返ってくる。そこで終わり
- Cowork = 優秀な部下(特に文系の部下):「PowerPoint作っておいて」「企画書まとめて」と任せると、資料を仕上げてくれる
- Code = 優秀なエンジニア(大工さん):実際に動くもの、動き続けるものを作ってくれる
使い分けの判断基準
絶対的な正解はないので、なんとなくで大丈夫です。間違っても問題ありません。
- 会話や質問だけで済む → チャット
- ファイルが絡む(PowerPointやWordを成果物として作りたい)→ Cowork
- 作ったものが動き続ける(サイト・アプリ・ツール)→ Code
チャットの使いどころは、たとえば「フレームワークって概念が分からない」と聞いたり、スクショを貼って「このボタンどこ?」と質問したり。ここはChatGPTを使っている方ならイメージそのままです。
CoworkとCodeは、実は中身が同じ
ここが今日の目玉です。実は CoworkとCodeは中身は同じClaude らしいんですよ。ぼくも昨日知りました。
開発者のインタビューによると、最初にClaude Code(ターミナル版)がありました。ただ、黒い画面はエンジニアには馴染んでも、非エンジニアには「何をやってるか分からないし怖い」。そこでAnthropicが、もっと使いやすいようにデスクトップアプリを作り、その中に 働く場所と任せる仕事を少し絞って初心者でも使いやすくしたのがCowork というわけです。
Coworkは当時すごく反響が良くて、海外で「Cowork使ったら1週間分の仕事が終わって、1日に2回も散歩してしまった」という感想がバズっていました。
だから Codeを怖がる必要はまったくない。Coworkを使えていればCodeも使えます。フットサルができればサッカーができる、みたいなもので、フィールドの広さやボールが少し変わるだけで、やることは一緒です。
働く場所の違い:仮想の部屋 vs Mac本体
中身は同じでも、働く場所が違います。
- Cowork:10GB の安全な仮想の作業部屋(VM=Virtual Machine)の中で動く。パソコンの中に小さなパソコンをもう1個作って、その中で作業させるイメージ
- Code:あなたのMac(やWindows)本体そのものの中で動く
なぜCoworkはわざわざ狭い部屋で動くのか。それは安全だからです。Codeは強力なぶん、AIが暴走したときにパソコンのデータを触ってしまう可能性が少なからずあります。Coworkは仮想の部屋の中だけなので、間違えても本体は散らからない。だからこそ、いろんなことを雑に投げられます。
Coworkのデメリット:容量の監視がいる
ただ、10GB しかないということは、入れられるツールに制限がかかります。
ぼくも最初は全部Coworkでやっていて、あるとき何を言っても反応しなくなったことがあります。原因は容量オーバー。部屋がパンパンになると、容量を減らすコマンド(Bash)すら通らなくなって、Coworkが何もできなくなるんですね。
そこで、教科書でも紹介している 「VMのディスク容量を監視して、不要なファイルを自動削除する」スケジュール を入れておくのがおすすめです(ルーティンのスケジュール機能で登録)。Coworkを多用する人は入れておくと安心です。
質問:「どういうことをするとCoworkの10GBを使い切りますか?」
一番分かりやすいのは Whisper(OpenAIの文字起こしツール)のラージモデルです。これは2〜3GBあるので、入れた瞬間に部屋がパンパンになります。Whisperのラージモデルは絶対にCoworkに入れない。使うなら必ずCodeです。
Coworkが得意なのは「片付ける」仕事。議事録・メール・Excel・PowerPointなど。ファイルをそのまま納品してくれて、「渡して→受け取る」で完結します。
Codeはその”たが”が外れた本気モード。Mac本体をフルに使って、LP・サイト・アプリ・自作ツールを作れます。「作って→動かして→直して→また直す」と往復しながら育てる仕事に向いています。
コンテキストウィンドウと /compact
CoworkとCodeでは、コンテキストウィンドウ(作業メモリ=記憶力みたいなもの)の制限も違います。これが大きいほど、たくさんのデータを参照でき、何度もやりとりできます。
画面の図で、今どれくらい使っているかが分かります。たとえば 100万(1M)のうち 50万 まで使っている、という見え方です。ここが逼迫してくると、Coworkは動きが鈍くなったり精度が落ちたりします。
そんなときは /compact が便利です。スラッシュを打って com と入力すると出てきます。これは今までのやりとりの不要な部分を消して容量を空けてくれる機能。今までの文脈を忘れるわけではなく、不要な部分だけ削ってくれます。逼迫していたのが一気に90%以上削減されることもあります。
何度も往復するような重い仕事はCodeのほうが向いている、というのはこのコンテキストウィンドウの差も理由のひとつです。
まとめると:簡単なファイルが欲しい、往復は5〜6回(10回以内)で終わる → Cowork。がっつり何度も打ち合わせして、動き続けるものが欲しい → Code。迷ったらCoworkから。狭く感じたらCodeへ。
デモ1:チャットとCoworkの境目(レシート整理)
チャットとCoworkの違いを、レシート整理で見てみます。
- チャット:レシートの写真を1枚貼って「これ経費にできる?」→「消耗品に計上できます」。以上。1枚ずつしか扱えません
- Cowork:レシート20枚を入れたフォルダごと渡して「全部読み取ってCSVにして」→ フォルダごと任せられる
ポイントは フォルダを渡せる=仕事を渡せる ということ。チャットは「質問に答える」、Coworkは「仕事を引き取る」。画面は同じでも、意味がまったく違います。
ファイルパスの渡し方(覚えておくと便利)
フォルダを渡すには、ファイルパス(そのファイルがどこにあるかを示すURLみたいなもの)を取って投げます。Macなら Optionキー+右クリック → パスをコピー。20枚を1枚ずつアップロードするより、フォルダごとパスで渡すほうが圧倒的に楽です。
Coworkの早見表
- レシート・請求書が溜まっている → フォルダ接続して一覧CSV化・科目候補づけ
- 会議の録音・文字起こしがある → 要約・ToDo抽出・メール下書き・Word納品まで一気通貫
- 毎週・毎朝の定型作業 → スケジュール(定期実行)に登録して自動化
- 調べ物をまとめたい → Webリサーチして出典つきレポート化
- WordやPowerPointで納品したい → そのまま納品ファイルを作成
スキル化:1回のやりとりを「型」にする
レシート整理で「トイレットペーパーは個人のもの、それ以外の文房具は法人」のような自分ルールがあるなら、それをスキル化しておくと、自分専用の整理ができます。
やり方は簡単で、うまくいったチャットのところから Turn this task into a skill(スキルにする) を押すだけ。そのやりとりがスキルになります。
ぼくのおすすめは、念のため スキルクリエイター(Anthropic公式のスキルを作るスキル)を使うこと。作ったスキルがちゃんと動くか検証までしてくれます。
スキルとフォルダの詳しい設計は、Week2でしっかりやります。
一番大事:自分で「できる・できない」を判断しない
今日いちばん大事なメッセージです。自分の中でできる・できないを判断しない。まずAIに聞く、調べさせる。
たとえば「Whisperを入れたい」と思ったら、ぼくに聞いてもいいですが、Code(やCowork)に直接こう聞きます。
「Whisperをダウンロードする方法を教えてください。非エンジニアなので、たとえ話なしで教えてください」
すると「ステップ1:Homebrewを入れる」と返ってくる。Homebrew が分からなければ、すかさず「そもそもこれ何?」と聞く。「Macにソフトをインストールするためのツールです」と返ってくる。こうやって分からないことを全部その場で聞いて自己解決していく。これができると、誰にも聞かずに全部終わるので、めちゃくちゃ強いです。
ぼくもエンジニアじゃないんだから、できる・できないを自分で判断するのはおかしいんですよ。野球をやったことない人が大谷さんのすごさを解説するようなものです。だからまず聞く。最近のClaudeは嘘をつくことも減りました。
困ったときも「こう出たんですけど、合ってますか?」とAIに聞いて、仮説を自分で立てる癖をつけてください。これをやらないと、1ヶ月終わったあともまた誰かに聞かないといけなくなります。
便利ショートカット:Command + Shift + Control + 4 でスクショをクリップボードにコピー → そのまま Command + V で貼り付けて「この画面どう?」と聞けます。保存→アップロードは不要です。
デモ2:音声から要約 → Word納品まで一気通貫
会議の録音や文字起こしがあるとき、Coworkなら「要約 → ToDo → メール下書き → Word納品」まで一気通貫でできます。普段これに1時間かけているなら、その時間がまるごと返ってきます。
実際にデモでは、音声ファイルをWhisperで文字起こしし、「話者の主張を、海外と日本の若者のAIへの考え方の違いも含めてWordレポートにまとめて」と指示しました。Coworkが「上司に渡すレポートの中身はどうしますか?」と聞き返してくるので、目的(新卒採用の参考にしたい等)を伝えると、その意図に沿ってまとめてくれます。
同じ指示をCoworkとCodeの両方に投げて比べると、Codeのほうが明らかに速い。Web検索もサッとやって、Executive Summary つきの整ったWordができあがりました。これはコンテキストウィンドウの差もあると思います。
補足:MLX Whisper(Macで爆速にする仕組み)
ぼくのMacには MLX Whisper が入っています。MLXはMetalというAppleの仕組みで、ざっくり言うと、素のWhisperはMacだと処理が最適化されておらず力が出ないところを、Mac向けに最適化して爆速で動かすものです。M4・M5以降のMacはこの処理がさらに速くなっています。
こういう「MLXって何?」も、その場でClaudeに聞けばいい。なんとなく分かっておくだけで十分です。
デモ3:Codeの予告編と、仕事につながる実例
Codeの深掘りはWeek3でやりますが、「作る」が「稼ぐ」につながる実例を紹介します。共通点は全部、身近な困りごとを1つだけ解決したことです。
- 造船パイプ工場:図面からどのパイプがどれだけ必要かを出すツールを開発中。CSVにするだけで驚かれました。取締役に金額を提案したら快諾。月額15〜20万円でも、工場からすれば人件費1人分が浮くツールです
- ちげさん:地域企業へWebアプリを提案して受注。営業の詳しいやり方は、来週 6月10日のZoom講座 で本人が解説してくれます
- 川口さん:AI×マクロで社長の1日仕事を1時間に短縮。初回5万円+月1万円のサポート(本当はもっと提案してよかったくらい)
「そんなことで?」と思うかもしれませんが、それを使えること自体がすごいんです。AIに課金している人はまだ0.3%しかいません。まずは自分の困りごとを解決しながら、「これ他の人も困ってるんじゃない?」と思ったらAIに聞いてみる。この癖が一番大事です。
スキル・コネクタ・プラグインの違い
設定の コネクター から、たとえばGmailをオンにすると、できあがったレポートをそのまま自分のGmailから送れます。スキルやコネクタは「追加」からどんどん足せます。
3つの違いはこうです。
- スキル:特定のタスクをやるための手順書・マニュアル。それ1つで完結する
- コネクタ:外部ツールとつなぐもの(例:Gmailから情報を取ってくる)
- プラグイン:複数のスキルや専門知識がパックになった「専門家のインストール」みたいなもの。ぼくはリーガル(契約書チェック)やマーケティング(ステップメール最適化)を入れています
どれを使えばいいか分からないときは、その画面をスクショしてチャットに貼り、「どんなときにどれを使えばいい?」と聞けばOKです。
リモート機能とDispatch(外出先から動かす)
席を離れているあいだも、外出先のスマホから作業の続きを見たいときがあります。そんなときは remote と打つと、スマホのClaudeアプリの Code から引き継いで指示を出せます。「自分すごいことやってる」感があっておすすめです。
似た機能に Dispatch があります。Dispatchの良いところは、1つの画面でずっとやりとりが続くこと(セッションが分かれない)。雑に投げても文脈を覚えていてくれます。Dispatchは基本Coworkを使いますが、聞いてみたらCodeも起動できるようでした(ぼくも知らなかった)。
今日のワークと宿題
今日のデモを見て「Claudeに任せたいこと」をDiscordに書いてみてください。観点のヒントは、
- 毎週やっている定型作業(スケジュール化したい)
- ファイルが溜まっている場所(整理したい)
- 頼みたいけど頼めていないこと/できないと思っていたけど、聞いたらできるかもしれないこと
宿題はこれです。
- 書いた中から 1つだけ 今週Coworkでやってみる(60点でOK・結果もスクショして投稿)
- まだの人は、教科書の動画版で初期設定を済ませる
1タスク=1アクション。3つ全部やろうとしない。完璧じゃなくて60点で出す。この50名くらいのコミュニティで出せないものは、外にも企業にも出せません。ここは皆さんにとってのサンドボックス(砂場)です。砂場は転んでも痛くないから、子どもは体の使い方を覚える。失敗しても大丈夫な環境なので、胸を張って投稿してください。
次回予告
- 6月10日(水):ちげさんのWebアプリ開発Zoom講座(今日紹介した事例の中身を本人が解説)
- 6月13日(土)12:00:Week2講義。今日やったCoworkの続きとして、フォルダ設計とスキルを深掘りします
リンクはDiscordの「動画講座」スレッドにあります。Discordの使い方が難しい方は、メルマガで使い方講座の案内も送っています。
質問はDiscordで24時間受付。なるべく自分で調べて、「こう出たんですけど、どうですか?」という形で聞く癖をつけてください。これを習慣にしないと、1ヶ月後もまた誰かに聞かないといけなくなります。自己完結できるようになることが、この講座のゴールです。
今日はここまでで、Coworkは90点くらい分かったと思っていいです。1時間ありがとうございました。
講義動画(再掲)
