AI企業大型案件を獲得したちげさんにインタビュー

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ゲスト:ちげさん(フリーランスの学校メンバー/Claudeマスター講座 受講生)
聞き手:しゅうへい
収録日:2026年6月3日

この対談の要約

屋久島で企業研修・コーチングを営むちげさんが、Threadsで「こんなアプリ欲しい」とつぶやく経営者にリプを送り、軽自動車1台分のAIアプリ開発案件を獲得した実例を深掘り。クライアントは家事代行・ベビーシッター会社で、予約・カレンダー・スタッフ割り振り・LINE連携・請求書発行までを束ねた複雑なWebアプリ。ちげさんはClaude Codeを触り始めてわずか2ヶ月、競合2社を抑えて受注した。

勝因は「全部できそうです」と言い切れたこと。LステップやGoogleカレンダー連携など部品を一つずつ自作していた経験が「組み合わせればいける」という確信に直結。事前にDMでヒアリング→AIに実現可否を確認→プロトタイプを動画で即送付、という流れが決め手になった。

非エンジニアが顧客の困りごとを理解したまま開発・提案できることこそAI革命の核心。営業手法は「リプ営業」、見積もりは松竹梅でゴルディロックス効果。開発+社員教育をセットで売り、Vercel納品。要約すれば「完璧でなくていい、動くものを小さく作って出す。ドラえもんはもうポケットの中にいる」。


はじめに:エンジニアじゃない人が、エンジニア会社に勝った

今回のゲストは、屋久島で企業研修やリトリート、コーチングを営むちげさん。元高校教員という異色の経歴を持つ彼が、AIを使い始めてからわずかな期間で軽自動車1台分の金額のAIアプリ開発案件を獲得しました。

しかもその案件、競合は「詳しい人に頼む」と言っていたシステム会社系の2組。ちげさんはエンジニア出身ではありません。にもかかわらず選ばれた——。この対談は、これからAIで仕事を獲りたい人にとって、ハードルがガクッと下がる1時間になりました。

しゅうへい:「これってすごい革命ですよね。2〜30年のエンジニアの人にぼくらは絶対勝てない。でもAIが入ったことで、同じ土俵に立てる。しかもちげさんは自分で作って使ってるツールだから、顧客動線まで分かっている。それは全く違う話になる」

どんな案件だったのか

クライアントは家事代行・ベビーシッターの会社。「こういうアプリを作りたい」とSNSに投稿していたところに、ちげさんがコメントを入れたのが始まりでした。

求められていたのは、シンプルなツールではありませんでした。

  • お客さんがWebから予約 → カレンダーに表示
  • 管理者が承認 → シフトの入っているスタッフに割り振り
  • LINEと連携して通知
  • 月末に請求書がダウンロードできる

複数の機能を連携させる、それなりに難易度の高いWebアプリです。

しゅうへい:「ぼくは正直、提案するのにビビる内容だなと思った。でも中身を聞いていくと、ちげさんがやってきたことの組み合わせなんですよね」

なぜ「全部できます」と言い切れたのか

ちげさんがClaude Codeを触り始めたのは、収録のわずか2ヶ月前(2026年4月末)。きっかけはコーチング講座の仲間と「みんなでアプリ開発を勉強しよう」と動画サイトを作ってみたことでした。

そこから彼は、部品を一つずつ自作していきます。

  • Threadsの投稿を分析するアプリ
  • LステップのようなLINE配信アプリ(オープンソースの「LINE Bot」系を参考に自作)
  • Googleカレンダーと連携して面談予約を取る仕組み
  • マインドマップを作るアプリ

これらを作っていたからこそ、家事代行会社の要件を聞いたとき、頭の中で「この機能とこの機能を組み合わせればいける」と即座に像が結べたのです。

ちげさん:「話を聞いた時には『全部いけそうですね』って思ってる状態でした」

ここがこの対談の核心のひとつです。しゅうへいも深く頷きます。

しゅうへい:「一個一個ちゃんとやってるじゃないですか。だから組み合わせたらいけるなって見えてくる。ぼくが今聞くと、どれもウェブアプリではやってないなって思うものばかりだった」

勝因:プロトタイプを”その場”で見せる

商談には、ちげさんの後に2組が控えていました。その3組から選ばれた理由を、ちげさんは後から直接聞いています。

ちげさん:「『全部分かってくれそうだ、やってくれそうな気がした、全部できそうですって言ってくれた』——それが一番大きかったと」

決め手になったのは、事前のDMヒアリング → AIで実現可否を確認 → プロトタイプを動画で即送付という流れでした。

ちげさん:「こんなプロトタイプだったらどうですか、ってDMですぐ送りました。動画で撮って。『すごいですね、こういうの求めてます』ってなりました」

しゅうへいも、造船会社との案件で同じ体験をしていました。Claudeのスマホアプリのチャットで図面写真を3D化(アーティファクト機能)し、その場でスマホ画面を見せて取締役を驚かせたといいます。

しゅうへい:「企画書なんていらない。プロトタイプを持ってこないと話に乗らない、という時代。こっちからすると『チャットでお願いしてるだけ』なんですけどね」

なぜ非エンジニアが強いのか

しゅうへいは、この現象を「非エンジニアの逆襲」と表現します。

従来、顧客の困りごとを理解している人(営業・現場)と、それを作れる人(エンジニア)は別々でした。間に担当者を挟むほど、要望は薄まり、コストは増える。

ところがちげさんは、自分が予約を取り、LINEでやり取りし、お客さんと直接話す日常を送っている。だから「こういう機能が要りますよね」が自然に出てくる。そして今は、それをAIで自分で形にできる。

しゅうへい:「困りごとを当人が解決できて、なおかつ困りごとを分かっている状態で顧客に提案できる。これは今までなかった。エンジニアが営業にならない限り無理だった」

ちげさんの強みは元高校教員ゆえの「難しいことを分かりやすく伝える力」。AI以外のスキル × AI、この掛け算が効いています。

営業手法:「リプ営業」と松竹梅

ちげさんは、実はAIのことをほとんどSNSで発信していません。彼のやり方は本人が名付けた「リプ営業」

ちげさん:「『こういうの作れないかな』ってつぶやいてる人が結構いるんです。それを探して『こういうことできますよ』と話して、個別相談に持っていく。これが今いちばんうまくいってる」

この方法で、すでにThreads経由だけで大小2件を受注。リアルでも、自分が髪を切りに行った店や眉毛の脱毛サロンで「予約管理どうしてます?大変ですよね」から会話を始める、地元密着の営業もしています。

見積もりは松竹梅の3段階。「予算感はどれくらいですか?」と先に聞き、その範囲で3つ提示して真ん中を選んでもらう——いわゆるゴルディロックス効果。マーケティングの素養がここで効いています。

しゅうへい:「エンジニアがリプ営業しても、難しい話されておしまい、で決まらないケースが多い。ちげさんは『分かりやすく伝える+マーケ』があるから決まる」

しゅうへい流:SNSで”引き寄せる”営業

一方のしゅうへいは、リプ営業ではなくSNS発信で問い合わせを引き寄せるスタイル。AIでできたことを動画で見せると伸びる、と語ります。

  • 1投稿で500万インプを出したときは、だいたい動画だった
  • 「Claudeでできる10のこと 1時間徹底解説」のような入口の1本を作っておく
  • 伸びた投稿にその解説リンクをぶら下げる → 「基本から教えてくれる詳しい人」という認知が育つ
  • 動画の最後に「個人・法人どちらもAI活用の無料15分相談やってます」と置く

そして、案件を獲る3点セットを提示します。

しゅうへい:「SNSで発信 × リアルでも営業 × 問い合わせ口(LP/LINE)を用意。この3点をやっておけば、普通に仕事は決まる」

「困りごと」はそこら中に落ちている

美容室なら、お客さんのカラー写真をおしゃれに加工してストーリーズに上げる——それだけでも喜ばれる。ChatGPT(チャッピー)で輪郭を白線で囲む加工プロンプトを渡してあげたら即採用された、という例も。

しゅうへい:「『AIすごい』で終わらせず、ちげさんみたいに『予約管理で困ってますよね』という痛みに対して解決を提案する。案件は、困りごととしてそこら中に落ちている」

LステップのようなLINE配信ツールも、今はオープンソース(LINE Bot系)を参考に自作できる。企業やお店からすれば、SaaSに毎月払っていたツール代を年間費用に置き換えられる——これは喉から手が出るほどやりたいこと。さらに「自社で運用・修正できるよう社員教育もセットで」と提案すれば、ほぼ決まると2人は口を揃えます。

「人件費が貼り付いている場所」を狙え

しゅうへいが語った、案件提案のいちばん深い視点がこれです。

職人の勘や反復作業のノウハウを、現場の優秀な人が「自分にしかできないから」と抱えている会社は多い。その人はずっと同じ作業に時間を取られ、次の価値創造に動けない。

しゅうへい:「その反復作業をAIに渡せば、月30万・年300〜400万のコストアップ要因が消える。優秀な人が現場に動けるようになり、新しい価値を生める。それは経営者からしたら『30万50万払いますよ』と即答する話」

ポイントは、AIに差分を学習させ続けること。しゅうへい自身、動画テロップツールを自作し、自分が直した内容(開業位置、食い気味のタイミング等)をClaude Codeに差分として渡し続け、ほぼ手直し不要のレベルまで育てています。

道具立て:Obsidian と Codex併用

対談の終盤は実践Tips。

  • 作るときの近道:いま自分が課金しているツール(Lステップ等)を自作してみる。それがそのまま提案ネタになる
  • AIへの聞き方:「非エンジニアにも分かりやすく、例え話はなしで教えて」を辞書登録。下手な比喩で逆に分からなくなるのを防ぐ
  • Obsidian必須:自分の文脈・知識をマークダウンで蓄積。ClaudeからCodexなど別モデルへ乗り換えるときも、引っ越し作業が要らなくなる(開発スクリプトはObsidian連携フォルダとは別に置く。CLAUDE.mdにファイル構造を明記)
  • Codexにレビューさせる:AIは自分が作ったものを正しく評価できない。Claude Codeで作らせ、Codexにレビューさせる協業を最初からプロンプトに入れておく

まとめ:完璧じゃなくていい。小さく作って、出す

最後に、2人が受講生へ送ったメッセージ。

ちげさん:「最初は大きな金額だと不安になる。でも小さな飲食店やサロンから声をかけていけばいい。いろいろ触ってみていれば『自分にもできそうだ』という確信度が伝わる」

しゅうへい:「ここにできたもののスクショを貼れたら、それでもう90点。あとは磨いて、人がお金を払いたいと言ったら100点。お金を払うかどうかは最後の10点。まずは小さく作って出してみること。ここ(コミュニティ)では誰もあなたの作ったものを笑わないから」

ドラえもんは、もうポケットの中にいる。気づいて、呼び出す人に、価値が集まる時代です。


この対談から持ち帰る3つのアクション

  1. いま課金しているツールを1つ、自分で作ってみる(=そのまま提案ネタになる)
  2. 困りごとを聞く → AIで可否確認 → プロトタイプを即見せる(リプ営業 or SNS引き寄せ)
  3. 開発+社員教育をセットで売る(松竹梅見積もり・事例使用の許可は受注前に取る)

講義動画(再掲)

ちげさんへの質問は、Claudeマスター講座チャンネルにて受付中です。

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